声に出さずに、私の恋に終止符を打つ

下駄箱に、時代遅れのラブレターを置く。宛先は『上条当麻くんへ』。廊下を走り抜ける男子の足音が妙に響いて私の鼓膜を震わせた。

バタバタと大きな音を立てながら私は廊下を走る。目的なんて無い。ただ、恥ずかしい気持ちが渦巻いてその場に立って居られなくなった。告白するって決めたのに、今からこんなんじゃダメだ。手紙という態々面倒な、でも気持ちが一番伝わる手段にしたのに。

走っていたら視界をかすめる黒。真っ黒な、日本人の証拠である黒髪は隣に立っている土御門くんの金髪によって更にその色を際立たせる。

目の前を電撃が通る。信じられない光景に暫く目を見開いて凝視してしまう。何故か怒っているような女の子だった。それに慌てながらも少し照れている風の上条くん。青髪くんと、土御門くんの話し声が聞こえる。

「あれで付き合ってない、ってーんだから不思議だよな」

「全く…フラグ立てまくられて、いい迷惑ぜよ」

私は走った。下駄箱には、さっき私に置かれたばかりの手紙が未だ開封されずに置かれていた。唇を噛み締める。泣きたい衝動を抑えながらそれを持って走り出す。

冬特有の刺すような肌寒さを、温かく感じた。

声に出さずに、私の恋に終止符を打つ